弟 最終夜-the last night-
脚本も演出も肝要だが、
最も重要視しなければならないのは
企画・テーマ・主題、つまり、何をドラマに据えるか、だろう。
テレ朝 昨年の「流転の王妃」の成功例も踏まえて
「弟」でより明確に証明されたのは、「中年、壮年、高齢者層の視聴意欲を刺激すること」が
より数字に直結するということ。
つまり、テーマにだれもが覚えている歴史的事実を据えることで
高齢者の視聴意欲を喚起し、
その上で、若者も見たくなる豪華なキャスティング。
現代社会が利便性の追求の代償として欠如した「人と人との絆」を描くこと。
その土台の上に、整合性がありながら、ダイナミックな脚本、的確な演出と編集、
大手芸能事務所の政治力に屈しない正確なキャスティング。
さらに、的確なタイミングの放送時期と、時間編成。
そのすべてが見事なハーモニーを奏でてこそ、感動が生まれる。